(2012.05.12)2012憲法記念県民集会

取調べの可視化実現を目指して
 甲山事件から密室取調べとえん罪のメカニズムを考える

日  時  平成24年5月12日(土)
午後1時30分〜午後4時30分


場  所  山陽新聞社本社ビル1階
        さん太ホール
〒700−0904
岡山市北区柳町2−1−1

参加費用 無料 (定員300名)

 

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岡山弁護士会では、毎年5月、憲法記念日の属する月に、市民・県民の皆さまに、時宜に適した人権や司法に関するテーマを選び、「憲法記念県民集会」を開催し、憲法の精神を理解していただく活動をしています。
本年は、日本弁護士連合会と、中国地方弁護士会連合会の共催で「取調べの可視化」に関するテーマを取り上げます。
 日本の刑事司法制度においては、捜査段階における被疑者の取調べは弁護人の立ち会いのないまま外部からの連絡を遮断されたいわゆる「密室」で行われています。このため、捜査官が、供述者を威圧しあるいは利益誘導するなどの違法・不当な取調べが行われることがあり、その結果、供述者が意に反する供述を強いられたり、供述とくいちがう調書が作られたりすることがあります。
 最近でも、厚労省元局長事件、足利事件、布川事件など、違法・不当な取調べによるえん罪事件が多く発生しています。
 取調室の中で何が行われたかについて知るための方法は簡単です。取調べの最初から最後までの過程(取調べの全過程)を録画(可視化)することです。
 取調べの可視化が実現すれば、被告人と捜査官の言い分が違っても、録画したものを再生すればいずれの言い分が正しいかが容易に判明し、裁判においても適正な判断を下すことができるようになります。裁判員裁判において裁判員となった市民にとっても、事後に検証することで判断がしやすくなります。
 今日、イギリスやアメリカの多くの州のほか、オーストラリア、韓国、香港、台湾などでも取調べの録画や録音を義務付ける改革がなされています。
 日本弁護士連合会(日弁連)は、早くから、取調べの全過程の録画の立法化を求めてきました。現在検察、警察が行っている一部録画の試行は、日弁連が求めている取調べの可視化とは全く異なるものです。
 本集会では、この問題を考えるために、1974年(昭和49年)に起きた甲山事件を取り上げます。甲山事件では、一人の女性が殺人容疑で逮捕・勾留されてから、無罪確定まで、実に四半世紀を要しました。
 この事件を通じて、弁護人の立会を排除した「密室」で行われている我が国の被疑者取調べの実態や、虚偽供述が生み出されるメカニズム、そしてこうした虚偽供述によるえん罪の発生を防止するための諸方策、とりわけ、国内外から強くその実現が求められている取調べの全面可視化の問題について考えてみたいと思います。
是非ともご参加ください。
なお、集会の内容及び場所については、下記のチラシをクリックしてご覧になってください。

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